ピザを焼くためには石窯が良いワケ

石窯の構造

さて、石窯は、このように理論的にも優れた点があるわけで、現在でも専門レストランでは非常によく使われることになっているのです。


実際の石窯は耐火煉瓦や粘土のような耐火物で作られています。耐火セメントで直接型を取って作られるタイプもあります。とにかく耐火素材が徹底的に使われます。


パン焼き用の石窯というのもあります。この場合は、薪が燃えてしまった後の数時間の熱を保持しやすいようにかなり厚く作られています。ピザや他の直火調理用の石窯というのは、実はパン焼き用の石窯よりも薄い構造になっています。


伝統的なローマ式石窯だと、一般的には卵型のようになっており、焼き面の上はアーチ状の天井となっています。正面の口の高さも重要で、それは高すぎると熱が逃げてしまい、低すぎると今度は窯が完全に燃焼しないからです。そこで窯の天井の高さの約60%が理想とされているようです。


このように石窯にもいろいろ工夫がされているわけですが、いずれにしても非常に場所を取る設備であることは間違いありません。専門レストランならそれが「売り」で雰囲気も出せていいのかもしれませんが、一般の家庭ではそこまではできません。そこで、いわゆる石窯効果を得るための工夫が話題になったりもするのです。